クラウドファンディングの進化を担うCTOのキャリア
トップ > インタビュー 一覧 |
---|
氏名 | 白川洸陽 |
---|---|
肩書 | 株式会社CAMPFIRE 執行役員CTO兼Livefor株式会社 代表取締役 |
出生 | 1981年 |
略歴 | 大卒でWEB事業を起業後、CyberAgent America inc、ヤフー株式会社にて複数サービスを指揮する。その後VIVITA株式会社など複数のスタートアップを経て株式会社フィナンシェにリードエンジニアとして参画。2023年株式会社CAMPFIREの子会社であるLivefor株式会社の代表取締役に就任。同年10月、株式会社CAMPFIREの執行役員CTOに就任。 |
趣味 | サッカー |
特技 | サッカー |
—【編集部】これまでどんな事をされてきましたでしょうか。
—【白川】
初めてパソコンに触れたのは高校生のときで、大学のサイトを閲覧するためでした。ギークの人たちとは違って、これがきっかけでパソコンに興味を持ち、大学では情報関係を学ぶことにしました。パソコンを使ってモノづくりができることに魅力を感じました。特にWebサイトは作ってすぐに反映されるので、自分が作ったものをすぐに人に見せたり、遊んでもらったりできるのが面白かったです。
また、私は映像系の活動も行っていて、俳優や映画監督としての活動もしていました。そのため、最初から就職するという選択肢は全く考えておらず、自分で何かをやってみようという気持ちから起業しました。
起業した後も常に10数件の案件を抱えて仕事をしていました。その中で、大きなオファーが来ました。当時、ソフトバンクがまだiPhoneを扱っていないガラケーの時代に、ソフトバンクウィジェットというプロジェクトが立ち上がりました。そのウィジェットを引き受ける会社からオファーが来たので、ジョインすることにしました。それが会社にジョインした初めてのきっかけだったと思います。
当時扱っていた技術としては、Googleマップの登場に伴うAjaxや、まだFlashがあった時代のFlash Liteなどがありました。モバイル化が進む中で、各キャリアの公式サイトもできてきた時代でしたね。その会社で幅広く技術に取り組んでいました。
その後、技術の流れがソーシャルゲームに移行しました。そのタイミングでジョインしていた会社にもソーシャルゲームの案件が来ました。某有名なアニメの案件で、年末から年始にかけて数週間でほぼ全てを作り上げました。これが私のソーシャルゲームの初めのきっかけでした。
その実績が評価され、ミクシィの子会社であるコミュニティファクトリー社の当時の代表の松本さんからオファーをいただき、そこにジョインしました。そこでソーシャルゲームを続けていました。
さらに、そのタイミングでCAMPFIREのCOOの藤﨑とも初めて出会いました。
起業していたとはいえ、会社組織の中でプロジェクトマネージャーを担ったのは初めてで、藤﨑から数値の見方などを教わりました。その後、ソーシャル要素はスマホゲームに移り、当時世界戦略としてグリーなどのソーシャルゲームプラットフォーマーが海外で立ち上げをしているなか、サイバーエージェントアメリカにジョインし、サンフランシスコ現地でゲームの開発を行っていました。
その後も、ヤフーやVIVITA、スタートアップ企業の立ち上げフェーズに関わりました。
—【編集部】現在の会社を入社した経緯をお聞かせください。
VIVITAの後、自分で会社を立ち上げました。これまでいろんなモノづくりを経験し、企業に参画する中で、働くことや生きること、モノづくりの環境について深く考えてきました。自分はやりたいことをやりたい、モノづくりがしたいという思いが強く、現代社会でそれが本当にできるのか疑問に感じていました。個人でやれることはツールも整ってきて可能になりましたが、大きなことを複数人でやりたいと思った時には、やりづらい社会だと感じました。そこで、自分でどうにかしたいという思いから起業しました。
その後、その会社を離れることになりましたが、家入と話すきっかけがあり、そこでCAMPFIREの目指す未来がアプローチは違うけれども、自分の目指す未来と近しいことを知りました。最初はお断りしましたが、プロダクト作りに集中できる環境を整えるので「一緒にやりたい」という提案を受けました。これまでの起業経験で、資金調達や事務作業がモノづくりに集中する上での障壁になると感じていたので、この提案は魅力的でした。また、エンタメ領域でコミュニティを作りたいという思いがあり、クラウドファンディングはコミュニティ作りの一環だと思っていました。情熱を持った人々がプロジェクトを立ち上げ、それに対して支援者が集まるコミュニティを支えるのがコミュニティマネージャーのスキルであり、CAMPFIREと一緒にやることが近道だと思い、ジョインすることにしました。
—【編集部】今、どんなコトを任されていますか?
—【白川】
そうですね、業務の割合はフェーズによって変わってきています。就任当初は、業務の8割がCAMPFIRE、2割が子会社のLiveforという感じでした。現在はLiveforのプロダクトローンチが控えているため、Liveforの割合が増え、逆転し始めています。
CAMPFIREのCTOとしての業務は、大きく3つの軸で進めています。技術戦略、セキュリティ戦略、技術組織戦略です。
技術戦略では、技術的負債の解消、予算の策定、業務効率の向上などを担当しています。セキュリティ戦略では、セキュリティ文化の醸成、インシデント対応、セキュリティ技術の導入を行っています。技術組織戦略では、技術文化の醸成や人材育成に力を入れています。具体的には、技術ブログの発信、社内外の技術イベントの開催、技術コミュニティの構築などを通じて技術文化を高めています。また、採用戦略やオンボーディング、スキル開発のトレーニング、キャリアパスの整備、公平な評価制度の構築なども行っています。
—【編集部】会社や事業のどんなところを魅力的に感じられていますか?
CAMPFIREは既にしっかりと成り立っているプラットフォームですが、その魅力の一つは、個人や団体が情熱を持って挑戦することをしっかりとサポートする人たちが集まっている点です。情熱を持った人たちが集まり、その挑戦を支援するコミュニティが形成されています。このようなプラットフォームは社会にも大きく貢献しており、従業員の方々もその理念に共感しています。その結果、プロダクトもどんどん改良され、技術的なフォローアップによってさらに進化しています。
一方、Liveforについてですが、私が以前やっていた会社のように、やりたいことを実現できる社会を作りたいという思いがあります。クラウドファンディングと同様に、複数人でコミュニティとして取り組むことが重要だと考えています。現在の社会は営利法人が主流ですが、経済成長だけを考えると、社会問題や環境問題、地域の問題、クリエイティブな活動に対して十分に対応できないことがあります。
Liveforは、みんなで支えるコミュニティが立ち上がり、経済だけでなく社会や地域の課題を改善していくことも目指しています。コミュニティを構成しているのは人です。コミュニティの中で輝き、自分たちの生き方を誇らしく思えるような社会を作りたいと考えています。会社に所属する以外の生き方の選択肢を提供し、人々が自分の生き方を誇りに思える社会を目指しています。Liveforの魅力は、コミュニティベースで社会を作り、人々が輝いて生きていけるような新しい選択肢を提供することにあります。
—【編集部】さて、ここで少し流れを変えて「20問20答」をさせてください。 私が質問を投げますので、考えずに、正直に、スグに答えてください。
Q1. 好きな漫画は?
A1. アニメですが、攻殻機動隊が好きです。
Q2. 人情派? 理論派?
A2.中間だと思います。
Q3. パン派ですか? ライス派ですか?
A3.両方好きです。
Q4. 都会が好きですか? 田舎が好きですか?
A4.田舎です。
Q5. 保守的? 革新的?
A5.状況によりますね。どっちの面もあると思います。
Q6. 好きなミュージシャンは?
A6.いないですね。
Q7. これまでに仕事でやらかした一番の失敗は何ですか?
A7.覚えていないですが、たくさんあると思います。
Q8. 犬派? 猫派?
A8. 両方です。
Q9. 現実派? 夢見がち?
A9.夢見がちです。
Q10. 今、一番会いたい人は?
A10.仮面ライダーギーツの俳優陣。子供と一緒に観ています。
Q11. 仕事道具でこだわっているのは?
A11.ないです。
Q12. どんな人と一緒に仕事したいですか?
A12.一緒に仕事していて楽しい人。
Q13. 社会人になって一番心に残っている言葉は?
A13.CAMPFIREの藤﨑の言葉ですが、『コミュニティは過疎化すると衰退してしまう』というのがずっと心に残っています。
Q14. 休日の過ごし方は?
A14.基本的に子供と外で遊んだり、夜は妻とゲームしています。
Q15. 好きな開発言語は何ですか?
A15. Objective-C。その他は、Pascalは一番初めに触れたので馴染みがあります。
Q16. 仕事の中で一番燃える瞬間は?
A16.リリース直前の瞬間です。
Q17. 息抜き方法は?
A17.子供と遊ぶ。
Q18. 好きなサービスやアプリは?
A18.CAMPFIRE(笑)
Q19. 学んでみたいことは?
A19.起業してさまざまなことに触れる中で、法律関係はちょっと学んでみたいと思いました。
Q20. 最後に一言
A20.絶賛採用募集中です。(あと個人的には映画を作りたいです)
—【編集部】現在の会社で何を成したヒトと記憶されたいですか?
—【白川】 組織全体というよりも、各個人の生き方に良い影響を与えることができるような、そんな人になれたらいいなと思っています。
—【編集部】最後に同様のキャリアを目指される方にアドバイスはありますか?
—【白川】
目指そうと思っていた目標に到達できるかどうかは分かりませんが、敢えて言うのであれば「失敗を恐れずに挑戦する」という精神が近いと思います。
世の中に出ているものは、誰かが作ったものです。自分も何かを頑張ればできることが多いと思います。そういった時に、少し調べて「これならできそうかな」と思ったものに対しては、手を挙げた者が勝つと思っています。
なぜなら、手を挙げて本気で取り組んだ結果、たとえ失敗しても誰も責めません。むしろ「よく頑張ったね」と言われますし、成功したら「やっぱりすごいね」と称賛されます。挑戦するかどうかはとても重要で、本当に無理だと思うことには手を挙げない方が良いかもしれませんが、競う価値があると思った場合は挑戦するべきです。私の生き方としては、挑戦を続けることで多くの機会を切り開いてきました。
例えば、サイバーエージェントアメリカに移った時のことです。私はiPhoneやAndroidの開発をしていましたが、その時はiPhoneゲームを作れる技術はありませんでした。それでも努力すればできると思い、年収を月額10万円下げてでも入社し、評価を求めました。アメリカでは英語の技術書しかなかったため、それをAmazonで購入して毎日仕事後に勉強し続けました。その結果、技術を習得することができました。
自分がやれそうだと思ったら手を挙げて突き進む、そんなスタンスややり方をぜひ勧めたいと思っています。
\\ Cuval側のコラボ記事はこちら //
https://cuval.jp/category/interview/
【クレジット】
・取材・撮影・文/平林宏城 企画・構成/大芝義信
【スポンサー】
・エンジニア組織のハードシングスのご相談は「株式会社グロースウェル」
企業 | 株式会社CAMPFIRE |
---|