「社会を良くする」という難題に挑む、READYFORのCPO

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氏名 大野木達也
肩書 READYFOR株式会社 執行役員 CPO
出生 1980年
略歴 フリーランス、制作会社のUIデザイナー・ウェブディレクターを経て、りらいあコミュニケーションズでチャットボットプラットフォーム事業の立ち上げを担当。2018年にメルカリに転職し、CS Productマネージャー、サービス管理・マーケット監視ツール領域のプロダクトオーナーを歴任。その後、Chatworkでプロダクトマネジメント部長。2023年3月READYFORにVP of Productとして参画し、同年7月より現職。
趣味 食べたり、出かけたりすること。
特技 特にないです。欲しい。

—【編集部】これまでどんな事をされてきましたでしょうか。

—【大野木】 留学後、フリーランスのデザイナーとして大阪で6〜7年ほど活動していました。当時はまだWebがあまり普及していなかったため、グラフィックデザインやショップの商品デザインなどを請け負っていました。 その後、ちょうど紙媒体の仕事が減ってきた時期に、Webやモバイルのプロダクトデザインに興味を持ち、FLASHというソフトを使ってモバイルのUIデザインや携帯のメニュー、モバイルゲームを作る仕事にシフトしました。これがきっかけでインターネット関連の仕事に移行しました。

りらいあコミュニケーションズの前にベンチャー企業で対話システムを作る事業に携わっていましたが、当時は「AIの冬の時代」と呼ばれる時期で、うまくいかずに事業は解散となりました。その事業をりらいあコミュニケーションズが継承することになったため、一旦別の会社に移りましたが、当時の上司に呼び戻されてりらいあコミュニケーションズに入りました。

そこで、チャットボットの事業を立ち上げたり、カスタマーサポートの改善コンサルティングを行ったりしました。親会社の三井物産では、当時はAIに関する知見がある方が少なかったため、海外のAI関連のデューデリジェンスなども担当していました。

その後、toC事業をやっている会社の中でサービス開発に携わりたいと考えて、2018年2月にメルカリに入社しました。執行役員の方とも意気投合し、入社を決めました。メルカリでは、カスタマーサポートのプロダクト連携をする組織の立ち上げ、権限管理やマーケット監視のプロダクト開発などをメインに担当し、上場前後で3年ほど在籍しました。

メルカリが上場する前後の3年間で、社員数が500人から2000人規模に拡大し、大企業化していく過程を経験しました。その経験を生かし、もう一度全体を見通せる規模で組織を作りたいと思っていたところ、ChatWorkから3年間で50人から300人規模の開発組織を作り上げにしていく中でプロダクト側の組織と方針を作る責任を担ってほしいというオファーを受け、興味を持って入社しました。

—【編集部】現在の会社を入社した経緯をお聞かせください。

正直に言うと、Chatworkを辞める気は全くなかったんです。もともと情報収集の一環として、色々な会社のCPO/CTOや事業責任者と機会があれば話をするようにしていて、READYFORもその一つでした。当時のCTOともカジュアル面談をした際に話が盛り上がり、クラウドファンディングの会社というくらいの認識しかなかったREADYFORが社会課題解決を目的とした寄付や支援を軸に置いていること、現在の事業方針を知りました。そして、この人たちと一緒に働いて事業の成長を見届けたいと考えるようになり、転職を決意しました。

内定ではVP of Productとしてのオファーをもらいましたが、その期待が非常にわかりやすく整理されていました。「こういうことをやってほしい」という具体的な内容がきちんと書かれていて、組織として情報や伝達力が高い会社なのではないかと感じられた点も惹かれたポイントです。Chatworkやメルカリでやってきたことを活かして、事業と接続したプロダクトを作る責任を持ってほしいと言われ、その部分に共感して入社を決めました。

—【編集部】今、どんなコトを任されていますか?

—【大野木】 組織としては、私が見ているのはプロダクト&エンジニアリングの部門で、PM(プロダクトマネージャー)、デザイナー、エンジニア、QA(品質保証)チームです。それに加えて、支援者マーケティングのチームも3名ほど見ています。

私の業務内容としては、経営の一員としてプロダクトの戦略とそれを実行していくことができるプロダクト&エンジニアリングの組織を作っていくことが大きな部分を占めています。特にこの1年は中長期の方針を整理することに注力してきました。それに加えて、プロダクトをどう改善していくかの基本設計や、中長期にも耐えうる指標構造の策定も進めてきました。

また、プロダクトマネジメントと開発チームが円滑に動くための体制を整えるために、組織の構造を見直し、より動きやすい形にするための変更を行ってきました。

—【編集部】会社や事業のどんなところを魅力的に感じられていますか?

READYFORに掲載されているプロジェクトは主に社会課題解決に焦点が当たっている活動で、寄付性が高いことが特徴です。

この「寄付性が高い」というのはひとつの大きな制約で、ビジネスとしてもすごく難易度も高い選択ですが、プラットフォームとして非常に尊い取り組みだと思いました。 特に興味を持ったのは、READYFORのサイトを見たときに、本当に多くの社会課題があることを知ったことです。私が知らなかった課題に対して、資金を集めようとしている人たちのプロジェクトがあり、大きな金額の支援が集まっていることを知り、とても面白いと感じました。世の中の課題を知ることができ、そのようなプラットフォームに関われるのは、自分の人生にとって非常に良い経験だと思いました。 今はクラウドファンディングだけでなく、日本の寄付インフラを構築しようとしているので、そのチャレンジができるのが非常に楽しい仕事だと感じています。

—【編集部】さて、ここで少し流れを変えて「20問20答」をさせてください。 私が質問を投げますので、考えずに、正直に、スグに答えてください。

Q1. 好きな漫画は?

A1. 最近読んで面白かったのは、カテナチオと路傍のフジイです。

Q2. 人情派? 理論派?

A2.どちらかというと理論派です。

Q3. パン派ですか? ライス派ですか?

A3.米です。パンもよく食べます。

Q4. 都会が好きですか? 田舎が好きですか?

A4.今福岡に住んでいますが、都会と田舎どちらにもアクセスできるのは最高です。

Q5. 保守的? 革新的?

A5.難しいですね。常にバランスを取っていると思っています。PMの仕事は、このバランスを取り続けることが重要だと思っています。保守性を考慮した上での革新性を追求することなど、常にこのバランスを取ることがPMに求められるスキルではないかと考えています。

Q6. 好きなミュージシャンは?

A6.昔からよく聴くのは、ディープ・フォレストとガリアーノなどです。あとくるりとかも好きです。

Q7. これまでに仕事でやらかした一番の失敗は何ですか?

A7.お話しできそうな内容が思いつかないです(笑)

Q8. 犬派? 猫派?

A8. 猫の方が自由で好きです。

Q9. 現実派? 夢見がち?

A9.どっちかなら現実派です。

Q10. 今、一番会いたい人は?

A10.特にいないです。ただ会えない状況とかを考えると家族ですね。

Q11. 仕事道具でこだわっているのは?

A11.いつでもどこでも働けるようにディスプレイ等を使わずにMacBookだけで仕事をするということにこだわってます。

Q12. どんな人と一緒に仕事したいですか?

A12.背中を預けられる人。あとは良い課題をくれる人と働きたいです。

Q13. 社会人になって一番心に残っている言葉は?

A13.昔の上司に『俺を悪者にして使おうが何でもいいからとりあえず成果を出すためにやるべきことをやれ』と言われたことです。そうありたいなと。

Q14. 休日の過ごし方は?

A14.大体家族で出かけています。

Q15. 好きな開発言語は何ですか?

A15.キャリアがデザイナー寄りなのでAdobeのソフトは使用してきました。

Q16. 仕事の中で一番燃える瞬間は?

A16.最近では中長期の方針を作成し、それが事業方針としてしっかりとまとまってきています。それと合わせてプロダクト戦略を考えるのはとても楽しいと感じています。

Q17. 息抜き方法は?

A17. 食べたり、散歩したり、外出とかです。

Q18. 好きなサービスやアプリは?

A18.ワールドコイン。プロジェクトの思想も好きですし、アプリもすごい面白みがあります。

Q19. 学んでみたいことは?

A19.READYFORの事業に関わることで学ぶことが多すぎて手一杯な状況です(笑)

Q20. 最後に一言

A20.READYFORの環境は、すごく楽しく働けますね。採用も積極的に行なっているので是非一緒に働きましょう。

—【編集部】現在の会社で何を成したヒトと記憶されたいですか?

—【大野木】またこの人と働きたいと思ってもらえるような役割を担いたいです。

—【編集部】最後に同様のキャリアを目指される方にアドバイスはありますか?

—【大野木】同様のキャリアというのが具体的に何を指すのか分かりませんが、私自身は開拓的なキャリアを積みながらやってきました。多くのプロダクトマネージャーも同じだと思います。ですので、職種に限定されずにやるべきことをやるという姿勢が重要だと思います。事業に必要なことが何かという視点でキャリアを積むのが良いと思います。


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<取材・撮影・文/平林宏城 企画・構成/大芝義信>

<提供/株式会社グロースウェル>

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