教育とITの架け橋を築く―CTOが語るキャリアと挑戦
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氏名 | 丸山 裕介 |
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肩書 | 株式会社NoSchool CTO |
出生 | 1995年 |
略歴 | 高等専門学校を卒業後、LIFULL(当時: 株式会社ネクスト)に入社。エンジニアとしてのキャリアをスタートし、主にホームズの開発や新規事業の立ち上げに従事。2019年にNoSchoolへCTOとして正式にジョイン。現在はオンライン家庭教師サービス「マナリンク」の技術基盤を構築しながら、柔軟性と革新性を兼ね備えたエンジニアリング組織の構築に注力している。 |
趣味 | 趣味は将棋やカメラです。 |
特技 | 特技と言えるか分かりませんが、文字数をすぐに把握するのが得意らしいです。 |
—【編集部】これまでどんな事をされてきましたでしょうか。
—【丸山】
私は高専を卒業後、新卒でLIFULL(当時は株式会社ネクスト)に入社しました。1年目は顧客対応系の部署に配属されました。「何でもやります!」という意気込みで入社したのですが、本当に「何でもやる」部署に配属されてしまいまして(笑)。主な業務は顧客からの問い合わせ対応で、過去のコードを調べ上げて「この挙動が原因だと思います」と回答するような仕事でした。
正直、エンジニア歴ゼロの自分にとってはかなり厳しい仕事でしたが、その分、大変貴重な経験になりましたね。
1年後、その部署が解散となり、会社全体の方針転換で各部署が問い合わせ対応の責任を持つことになりました。その結果、私はLIFULLの主要収益源である「ホームズ」の開発を担当する部署に異動しました。そこでは、まさに「ゴリゴリと開発に取り組む」日々を送りました。
3年目には、新規事業の提案が採用され、ホームズの開発を続けながら新規事業にも関わることになりました。その結果、3年目は本当に忙しく、正直、細かい記憶があまり残っていないほどです(笑)。新規事業では、教育とITを掛け合わせたサービスの可能性を模索しつつ、並行してホームズの開発にも全力を注いでいました。
この時期の経験が、間違いなく現在のキャリアの基盤になっています。
—【編集部】現在の会社を入社した経緯をお聞かせください。
きっかけは、代表の徃西からTwitterr(現:X)経由で連絡をいただいたことでした。当時、私はLIFULLで新規事業を進めつつ、ホームズの開発や営業を担当していました。その一方で、副業としてNoschoolに関わるという非常に忙しい生活を送っていたんです。
その結果、体調を崩してしまうこともあり、「このままでは持たない、どこかで区切りをつける必要がある」と感じていました。そんなタイミングでNoschoolからオファーをいただいたんです。
Noschoolに正式にジョインする決め手になったのは、タイミングが絶妙だったことに加え、元々教育事業に対して強い想いを持っていたからです。この2つが重なり、入社を決意しました。
—【編集部】今、どんなコトを任されていますか?
—【丸山】
現在は、開発作業に多くの時間を割いており、全体の60%ほどは実際に手を動かしています。それに加えて、ソースコードのレビューやリファクタリング、再発防止策の設計なども担当しています。
最近の例では、表示条件を逆に実装してしまうという単純なミスが発生しました。このようなミスは、サービスが複雑化すると見逃されやすく、運用にも影響を及ぼします。このまま放置すると、将来的に同様のミスが頻発する可能性が高いと感じたため、臨界点を超える前に対応することにしました。
具体的には、テストコードの充実を図り、メンバーが簡単にセットアップできる仕組みを整えました。さらに、それをドキュメント化してチーム全体で共有し、開発プロセスの中でスムーズに活用できるようにしました。その結果、メンバーからは「意外と簡単に書けました」という声をもらい、とても嬉しかったですね。ただ、その背景には、私が事前に仕組みを整えたことが大きいですが(笑)。
私の役割は、重要度は高いものの優先度が低くなりがちな課題に着手し、再発防止や効率化のための土台を作ることだと考えています。この取り組みを通じて、チーム全体がスムーズに動ける環境を整えられていると感じています。
マネジメントについては、特別な取り組みはあまりしていません。朝会や週1回の定例会で進捗や問題点を共有する程度です。現在のメンバーは非常に優秀で、それぞれが自律的に動けるため、細かな指示を出す必要がありません。その分、私自身は開発や改善作業に集中できています。
採用に関しては、現時点では大規模な採用活動はしていませんが、将来的にチームを拡大する際には、技術力だけでなく、柔軟性やチームの雰囲気に合う人材を重視して採用していきたいと考えています。
—【編集部】会社や事業のどんなところを魅力的に感じられていますか?
そうですね、会社と事業の魅力は切り離せないと感じていますが、一番強く惹かれるのは、「先生の人生に非常に大きな影響を与えるサービスを展開している」という点です。
たとえば、「マナリンク」では年間600万円以上を稼いでいる先生がいらっしゃいます。もちろんこれは一部のケースですが、こうした事例をもっと増やしていきたいと考えています。このサービスがなくなれば、その先生方は大きな収入源を失うことになります。それだけ影響力のあるサービスを提供できているというのは、非常に特別なことだと思います。
また、このサービスの特徴として、単に家庭教師サービスに登録するだけで案件が自動的に入るような仕組みではなく、先生自身が自分のページを作り、指導内容を公開し、生徒を探して授業を進めていくという、自律的な仕組みを提供している点が挙げられます。このような基盤を、私たちエンジニアが作り上げていることに大きな価値を感じています。
さらに、社内のスタンスとして、「先生やご家庭のためになることをしよう」という姿勢が根付いている点も魅力的です。たとえば、受験は家庭にとって一生に一度の大切なイベントです。その準備を支えるサービスを提供する以上、真摯に向き合う姿勢が求められます。このような意識の高さが、会社や事業の魅力をさらに引き立てていると思います。
私自身、今後どんなキャリアを歩んだとしても、これほど特定の個人に大きなインパクトを与えられるサービスに携わる機会はなかなかないのではないかと感じています。それが、この会社や事業に関わる一番の魅力ですね。
—【編集部】さて、ここで少し流れを変えて「20問20答」をさせてください。 私が質問を投げますので、考えずに、正直に、スグに答えてください。
Q1. 好きな漫画は?
A1. 「神様のバレー」というバレーボール漫画が好きですね。
Q2. 人情派? 理論派?
A2.いろいろ考えますが、ここでは理論派だと思います。
Q3. パン派ですか? ライス派ですか?
A3.ライス派ですね。間違いなく。
Q4. 都会が好きですか? 田舎が好きですか?
A4. どちらも魅力的ですが、具体的な好みについては状況次第ですね。
Q5. 保守的? 革新的?
A5. 革新的ですね。
Q6. 好きなミュージシャンは?
A6.昔よく聴いていたのは「パスピエ」というバンドですね。
Q7. これまでに仕事でやらかした一番の失敗は何ですか?
A7. 何かしらあると思いますが(笑)、今思い出したのは、誤操作でユーザーに関係ないメールを一斉配信してしまったことです。
Q8. 犬派? 猫派?
A8.猫派ですね。
Q9. 現実派? 夢見がち?
A9.夢見がちかな、と思いますね。
Q10. 今、一番会いたい人は?
A10. いざ質問されると意外とすぐに出てこないですね(笑)
Q11. 仕事道具でこだわっているのは?
A11. 分割キーボードです。これがないと仕事が進まないくらい重要ですね。
Q12. どんな人と一緒に仕事したいですか?
A12.変化に対応できる人です。半年前と今で言っていることが変わっても全然OKだと思うんです。そういった柔軟さを持った人と仕事ができると楽しいですね。
Q13. 社会人になって一番心に残っている言葉は?
A13.23歳でCTOになると宣言したとき、前職の先輩たちが口を揃えて「なんでもできるよ」と言ってくれたことです。ずっと心に残っています。
Q14. 休日の過ごし方は?
A14.最近は写真を撮るのにハマっています。コスモスの写真を撮りに行ったこともありました。それだけのために外出して、撮影して帰るという感じです。
Q15. 好きな開発言語は何ですか?
A15. TypeScriptですね。とても使いやすくてお気に入りです。
Q16. 仕事の中で一番燃える瞬間は?
A16.長い間引っかかっていた課題が解けた瞬間ですね。「これだ!」と腑に落ちる瞬間が最高です。
Q17. 息抜き方法は?
A17.写真撮影です。自然の花を撮ると結構リフレッシュできます。
Q18. 好きなサービスやアプリは?
A18.Obsidianですね。ノートアプリで、ここ1年ほど使い続けています。自分でも気に入っていると実感しています。
Q19. 学んでみたいことは?
A19.最近気になるのは、ChatGPTのようなLLM(大規模言語モデル)がどのように学習しているのかという点です。エンジニア視点でもまだブラックボックスに感じる部分があります。以前は自然言語処理を追っていましたが、ここ数年は余裕がなくて放置していました。その間にChatGPTが登場して「すごいな」と思いましたね。時間ができたら改めて学びたいと思っています。
Q20. 最後に一言
A20.接点を増やすことが大事だと思います。この記事をご覧の方で興味を持たれたら、ぜひ過去の記事やテックブログをフォローしてみてください。これからも情報発信を続けるつもりなので、ぜひチェックしていただければ嬉しいです!
—【編集部】現在の会社で何を成したヒトと記憶されたいですか?
—【丸山】
少し変わった答えになるかもしれませんが、例えば20年後、今のメンバーがそれぞれ別の仕事をしている未来を想像します。そのときに、「あのとき『マナリンク』で働いた経験があったから、今の自分がある」と言ってもらえる存在でありたいですね。
特に、「あの時期は暗黒時代だった」とか、「やりたくない仕事ばかりだった」と思われるのは避けたいです。そういう未来を想定しながら、日々のマネジメントや課題解決に取り組んでいます。
メンバーが自分のキャリアに誇りを持てるような環境を作ること、それが私にとっての目標です。
—【編集部】最後に同様のキャリアを目指される方にアドバイスはありますか?
—【丸山】
これは私がCTOを目指す際に、知り合いのCEOからもらったアドバイスなのですが、「CTOを目指すなら、CEOの言うことをすべて引き受ける覚悟で臨むべきだ」と言われました。この言葉はすごく響きました。
たとえば、「給料を下げたくないけどCTOになりたい」と考える方もいるかもしれませんが、そのような姿勢では難しいと思います。実際、私自身がCTOになる際には、給料を下げて入社しました。それが必要だと思えば迷わずそうすべきだと考えています。
もしその覚悟がないのであれば、その役職や会社を選ぶべきではないと、強く感じます。CTOを目指すなら、それくらいの覚悟を持つことが重要ですし、その覚悟があるかどうかが成功への分かれ道になるのではないでしょうか。
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【クレジット】
・取材・撮影・文/平林宏城 企画・構成/大芝義信
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