人が育つ環境を作るCTOが語るキャリアの裏側

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氏名 池上俊介
肩書 エステートテクノロジーズ株式会社 取締役CTO
出生 1973
略歴 慶應義塾大学総合政策学部卒。2014年に東証マザーズに上場したデータセクション創業メンバーで取締役CTO。ビッグデータ、機械学習、自然言語処理を用いたシステム開発を得意とし、自然言語処理を用いたtwitter分析、自動文章生成を行うAI記者など開発案件多数。2019年、ビッグデータやAI技術を用いて不動産業界の変革を志し、エステートテクノロジーズ創業と同時にCTO就任。

趣味 最近は泳いでいないけど水泳です。
特技 同じく、水泳です。

—【編集部】これまでどんな事をされてきましたでしょうか。

—【池上】 就職する際には、プログラミングよりも企画や営業に興味を持ち、富士通系のPFUに営業職として入社しました。しかし、そこでの業務は書類作成や納品書作成が多く、自分がこのような業務をきっちりこなすことが苦手であることに初めて気づきました。そこで1年で退職し、フリーランスとして活動することを決意しました。

フリーランスとして活動したのは1年ほどでした。その間、ホームページ制作や横浜のイベント情報を提供するサービスを運営していました。具体的には、映画館の上映情報やみなとみらいでのイベント情報を手入力し、iモードという当時の携帯で現時点のイベント情報を閲覧できるようにしていました。このサービスはビジネスにはなりませんでしたが、神奈川Webコンテストで賞をもらうことができました。

知り合いに誘われ何気なく行ったイベントで、当時購読していて大好きだったメルマガの発行者の方に偶然会い、今度、データからコンテンツをつくるデータセクションを設立するけれど一緒にやろうと声をかけていただき、4人の設立メンバーの一人として参画することになりました。 データセクションは、橋本さんなどのメルマガや本を書いたりする人たちが集まって作られた会社です。初期の目的は、これらの人たちが集めたコンテンツを再利用できないかというところから始まりました。具体的には、当初は類似性に注目した新しい検索エンジンの開発に取り組みましたが、なかなか収益を上げることができませんでした。その開発過程で当時ブログデータを収集したり、慶応大学石崎研究室で聴講させていただき学んだ自然言語処理やテキスト分類を行う機械学習などのAI技術を用いた開発業務を数人で行う苦しい時期を6年ほど過ごしました。

当時の顧客で後のデータセクションとエステートテクノロジーズ社長の澤がブログやtwitterデータを解析したトレンド予測の研究開発業務を発注してくれていましたが、リーマンショックのタイミングでプロジェクトが閉鎖されることになり、ならばとデータセクションに社長としてジョインしてくれることになりました。澤はベンチャーキャピタルから資金を集め、大企業への提案を行いデータセクションを急成長させ、上場に至ることができました。彼のビジネススキルとリーダーシップにより、会社は大きく飛躍しました。

—【編集部】現在の会社を創業した経緯をお聞かせください。

データセクションがだんだん回り始め、0から1の仕事よりも10を100にするような仕事が増えてくるようになると管理的な業務が増え、企画を立てても収益性が求められ、面白いことがなかなかできなくなってきました。振り返ってみると私自身は特に20人から30人くらいの規模の頃が大変でしたが、リソース不足の中、知恵を絞って新しいものを生み出す瞬間が一番面白かったため、もう一度小さな組織からやりたいなと思ったんです。

澤もデータセクションを後継者に譲り、次に何をやろうかと考えていたときに、もう一度一緒にやりたいということで一致しました。技術はAIの知識やデータの知識があるので、どの分野が良いかと話し合いました。データがたくさんあり、あまり浸透していない業界はどこかと考えたとき、不動産業界が未だに電話とFAXが主流であることが分かり、そこに参入の余地があるんじゃないかと思いました。

データセクションのときは技術そのものを売っていましたが、今回はサービスとして提供できるようなことをやってみたいということで、不動産テックの領域に入ることにしました。

—【編集部】今、どんなコトを任されていますか?

—【池上】 直近では、2024年4月までデータウェアハウスの導入や入れ替えを行っていたため、かなり手を動かすことが多かったです。現在はそれが落ち着いてきたので、このデータ基盤を活かした営業提案活動を増やしており、全体の約40%を占めています。

お客さんから「〇〇のようなデータがあるので、うまく活用して面白いことができないか」という相談がよく来るため、それに対応して手を動かす作業が全体の40%を占めています。残りの20%は採用や計画策定、会議などに充てています。

—【編集部】会社や事業のどんなところを魅力的に感じられていますか?

当社の事業領域である不動産テック領域はまだ確立されていない部分が多く、データを集めることで大きな強みを持っています。このデータを活用して様々な提案やサービスを展開できる可能性が十分にあります。そのため、みんなでアイデアを出し合ったり、「このお客さんにはどういう提案をしようか」と一緒に考えたりすることが多いです。

決まった業務をこなすというよりは、次のステップをみんなで考えながら進めていくことが好きな人には非常に向いている環境です。

—【編集部】さて、ここで少し流れを変えて「20問20答」をさせてください。 私が質問を投げますので、考えずに、正直に、スグに答えてください。

Q1. 好きな漫画は?

A1. オアシというサッカー漫画がすごく好きです。主人公はサッカー下手なんですが、俯瞰力を活かした活躍をしていて、この能力って開発やビジネスでも使えるのではと思いつつ読んでいますね。

Q2. 人情派? 理論派?

A2.両方の側面がありますね。なるべく理論的に物事は考えたいと思いつつも人情的にもなってしまいます。

Q3. パン派ですか? ライス派ですか?

A3. ライス派です。

Q4. 都会が好きですか? 田舎が好きですか?

A4. 住むのは都会で旅行で田舎にいきたいです。

Q5. 保守的? 革新的?

A5. つい革新的に進めてしまいますが、もう少し保守的にもなった方がよいかなと自分なりに思うことがあります。

Q6. 好きなミュージシャンは?

A6. ミュージシャンというよりはSpotifyのプレイリストのWORKOUTを流してそれを聴きながらコードを書いてますね。

Q7. これまでに仕事でやらかした一番の失敗は何ですか?

A7.3ヶ月ぐらいかかって作ったサービスを徹夜してリリースする当日の朝に間違って全部消してしまったことですね(一日かけてバックアップから復元できました)

Q8. 犬派? 猫派?

A8. 犬派ですが、飼うなら猫ですね。

Q9. 現実派? 夢見がち?

A9.夢を見ているけど、行動は現実的ですね。

Q10. 今、一番会いたい人は?

A10. んー思いつかないですね。

Q11. 仕事道具でこだわっているのは?

A11. パソコンです。会社から支給されていますが、個人的にスペックにはこだわって自前で用意しました。

Q12. どんな人と一緒に仕事したいですか?

A12. ワクワクを共有できる人。

Q13. 社会人になって一番心に残っている言葉は?

A13.迷った時はより積極的な選択肢を選ぶ

Q14. 休日の過ごし方は?

A14.子供の習い事など、子供に付き添っています。

Q15. 好きな開発言語は何ですか?

A15. Python

Q16. 仕事の中で一番燃える瞬間は?

A16.機械学習やAIなど取り組むときに、自分自身で仮説を立てて動かすのですが、それがバチっと決まって良い数値が出たときですね。

Q17. 息抜き方法は?

A17.最近はよくサウナにいきます。

Q18. 好きなサービスやアプリは?

A18.Spotifyや漫画アプリやAudibleなどです。本を読むことは好きなんですが、最近は目が悪くて本を読むのが辛いので音で聴いています。

Q19. 学んでみたいことは?

A19.やっぱりこの分野、AI・データ系は新しい技術が次々と出てくるので、それをもっと学んだり触ったりしていきたいです。

Q20. 最後に一言

A20.変化やワクワクを楽しめる人を募集中です!

—【編集部】現在の会社で何を成したヒトと記憶されたいですか?

—【池上】 私も50歳になったので、これから引退までは人を育てていきたいなと思っています。 うちに入社して私と一緒に仕事をしてすごい成長できたと言ってもらえるようになりたいです。

—【編集部】最後に同様のキャリアを目指される方にアドバイスはありますか?

—【池上】 チャレンジをするときにちょっと背伸びをしつつ、相手の期待感をちょっと超えるアウトプットを出し続けると良いと思います。もちろん失敗することもあるかもしれませんが、毎日ちょっとずつ新しいチャレンジを繰り返していくことで一番最適解を見つけることができると思います。


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<取材・撮影・文/平林宏城 企画・構成/大芝義信>

<提供/株式会社グロースウェル>

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