経営の裏側を支える力!FiNC TechnologiesのCTOが目指す守りの重要性

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氏名 坂井俊介
肩書 株式会社FiNC Technologies CTO
出生 1995年
略歴 2019年東京大学大学院情報理工学系研究科修了。
大学院ではVR技術を用いたヒトの認識・行動システムの研究を行い、修了後にFiNCにジョイン。2020年からはtoC事業の開発チームのテックリードとして、チームビルディングや開発プロセス改善にも注力。また他社との共同事業開発のリードも兼任。2022年よりエンジニアリングマネージャー。ビジネス・技術負債への感度が高く、内外の環境変化に適応的なプロダクト設計を得意とする。2023年5月CTO就任し、現在に至る。
趣味 サッカー、フットサル、サウナ
特技 サッカー、フットサル

—【編集部】これまでどんな事をされてきましたでしょうか。

—【坂井】 20歳ぐらいでFiNCでインターンをしていました。物作りの面白さや、作ったものが人に使われて動く面白さは感じましたが、理論的な面白さや学問的な面白さはあまり感じていませんでした。

大学での勉強では、計数工学科に所属していました。計数工学は応用物理、応用数学、応用情報の三つの分野の融合で、世の中のものをモデリングし、数学や情報の世界で答えを導き、それを現実にフィードバックする学問です。アプリ作りを通して、現実世界の問題をどう解決するか、その解決手法や考え方を深めたいと思い、計数工学を志望しました。

一度、大学4年でインターンを辞め、大学院に進学してVRを中心に学びました。しかし、VRで食べていくのはまだ難しいと感じていました。大学院の研究室は特殊な環境で、集中できない時期もあり、遅れてきたモラトリアムのような感じで、大学院ではゆっくりと時間を取りたいと思いました。

しかし、卒業して学位を取ることは重要だと思い、しっかり研究して学位を取った上で新しいことをやりたいと考えました。その時に、他の人と違うことをしたいと思いました。東大には課題解決を目指す人が多く、コンサルティング会社に進む人が多いです。私もそうなるかと思いましたが、開発の知識を持ち、ソフトウェア工学を理解しつつ現実の問題を解決できる人は少ないと感じ、それを強みにしようと思いました。

—【編集部】現在の会社を入社した経緯をお聞かせください。

いろいろな開発会社から声をかけてもらいましたが、昔の師匠にあたる当時のCTOから話を聞いたとき、没頭できる環境が必要だと感じました。大学院のときは放浪していましたが、仲間と共に没頭できる環境が欲しかったのです。その当時の上司がその環境を提供してくれそうだったので、入社しました。

—【編集部】今、どんなコトを任されていますか?

—【坂井】 そうですね。具体的な割合を計算するのは難しいですが、現在は採用業務ならびにリソース管理にかなりの時間を割いています。正社員採用だけでなく業務委託の方とのマッチングも担当しており、案件が時期によって変わるため、チームメンバーの入れ替えも頻繁に行っています。

中長期の開発計画については、正直、去年就任してからの1年間は長期的なことを考える余裕がなく、短期的な改善に焦点を当てていました。しかし、1年が経過し、会社の状況も変わってきたので、今は2年後、3年後の収益構造の改革や、レガシーシステムの改善に力を入れています。

昔からのシステムを改善するのは非常に大変で、単なる技術的スキルだけでなく、プロダクトや事業の歴史を理解する必要があります。これは非常に高度な作業であり、レベルの高いエンジニアでも簡単にはできません。そのため、私は毎週何千行ものコードを削除する作業を行っています。コードを書くよりも、不要なコードを削除する方が私の主な役割です。

もちろん、新規の外部プロジェクトの見積もりや進捗管理、マネジメントも行っています。直近では、ロート製薬さまとの戦略的パートナーシップのプロジェクトに取り組んでいます。FiNCとロート製薬さまとで共同ビジネスを作り、FiNCのリソースやソリューションを活用して、ロート製薬さまの業務をデジタル化し、データの可視化を進めることで業務改善を図っています。

このプロジェクトでは、私もロート製薬さまの社員と共に業務に取り組んでいます。FiNCの開発だけでなく、FiNCの知見やノウハウを活かしながら、ヘルスケアの大きな文脈で新しい価値を創造するためのプロジェクトに時間を使っています。

—【編集部】会社や事業のどんなところを魅力的に感じられていますか?

まず、健康に関する事業は非常に重要だと思います。正直、個人的には年齢的にも健康に対する課題意識がそれほど強いわけではありませんでした。しかし、お客様の声を聞いていると、健康に悩んでいる方が多く、それを改善したいという声が非常に大きいことを実感しています。

私たちが作った製品やサービスが実際に顧客に届けられ、価値を提供できていると感じることができます。現在の健康投資の流れは、日本全体の風潮の中で追い風を受けていると感じます。市場的な追い風がどこまで続くかはまだ未知数ですが、健康への投資は間違いなく重要な方向性です。

ESG投資や脱炭素など様々な重要な方向性がありますが、健康への投資も国の大きな課題です。社会保障費の増大や、現役世代の高い社会保険料など、解決すべき課題が山積みです。これらの問題を解決するためには、健康な人々を増やし、働き手を増やすことが必要です。そこに技術が大きな役割を果たせると考えています。

個別の魅力としては、様々な会社との協業が挙げられます。自分たちだけでなく、多くのステークホルダーが考えることを聞きながら進めていくことが非常にチャレンジングで面白いと感じています。もちろん、合意に至るまで何度も交渉するのが必須ですが、それを乗り越えて物事を進めていくのはやりがいがあります。

FiNCでの開発においても、向き合っているのは一つのプロダクトですが、その先には多くの事業や人々がいます。解像度が上がれば上がるほど、やりがいを感じることができると思います。

—【編集部】さて、ここで少し流れを変えて「20問20答」をさせてください。 私が質問を投げますので、考えずに、正直に、スグに答えてください。

Q1. 好きな漫画は?

A1. 攻殻機動隊とMAJORです。

Q2. 人情派? 理論派?

A2.回答にはなっていないと思いますが、相当ロマンチストだと思います。

Q3. パン派ですか? ライス派ですか?

A3. ライス派です。玄米ばかり食べています。

Q4. 都会が好きですか? 田舎が好きですか?

A4.都会です。

Q5. 保守的? 革新的?

A5.相当保守的だと思いますが、周りからは革新的に見られていると思います。

Q6. 好きなミュージシャンは?

A6.浜田省吾。

Q7. これまでに仕事でやらかした一番の失敗は何ですか?

A7.顧客企業の案件の中で始末書を書いたこと。

Q8. 犬派? 猫派?

A8. 強いて言えば、犬です。

Q9. 現実派? 夢見がち?

A9.ロマンチストです。

Q10. 今、一番会いたい人は?

A10.Mr.SASUKEの山田勝己さん

Q11. 仕事道具でこだわっているのは?

A11.最近新しい名刺入れを買いました(笑)良い革が使用されていて、机の上に置いておくと心が少しやすらぎます。

Q12. どんな人と一緒に仕事したいですか?

A12.素直な人です。

Q13. 社会人になって一番心に残っている言葉は?

A13.「伝えたと思っていても、相手が本当に理解するまで伝え続けるのが、伝える側の使命だ」という言葉は今でも心に残っていて意識しています。

Q14. 休日の過ごし方は?

A14.フットサルをしに行く。スタジアムでのサッカー観戦

Q15. 好きな開発言語は何ですか?

A15.Rubyです。

Q16. 仕事の中で一番燃える瞬間は?

A16.いろいろな人がいるため、提案しても最初は理解してもらえないことはよくあります。しかし、時間が経つにつれて相手が自分たちの言っていることを理解してくれるようになり、その結果として人の心を動かすことができるようになります。そういった瞬間に、物事が進んでいるという実感が湧き、やりがいを感じます。

Q17. 息抜き方法は?

A17. フットサル

Q18. 好きなサービスやアプリは?

A18.部屋のいろんなものを自動化するのが好きなので、「SwitchBot」が好きです。いろんなものを繋いで、コンセントから何まで全部Alexaと連携させて、自動化しています。これを今すごく楽しんでいます。例えば、カーテンを自動で閉める機能も使っています。朝早く起きることが多いので、自動でカーテンが開くととても便利です。

Q19. 学んでみたいことは?

A19.柔術など、物理的な身体の使い方をもっと上手くなりたいです。最近まではキックボクシングに通っていました。

Q20. 最後に一言

A20.例えば、「負債」と言われているものも、実際には宝の山だと思っています。そういった場所から這い上がって、ビッグになるというのも悪くないなと感じています。

—【編集部】現在の会社で何を成したヒトと記憶されたいですか?

—【坂井】私が目指しているのは、目立たないけれども重要な仕事を成し遂げた人として記憶されることです。例えば、プロダクトが成長したり、新しいものが生まれたりする部分は、外から見えやすい部分です。しかし、本当に重要なのは、経営の裏側や内部の課題に対処することです。攻めの部分も大切ですが、守りの部分、つまり誰もやりたがらない過去からの脱却や経営の基盤を強化することが重要です。

これらの守りの部分で結果を出すことが、本当に価値があると考えています。これまで誰もやってこなかったことを成し遂げることで、一緒に働いた人々からの評価に繋がると思います。ですから、外からは見えにくいかもしれませんが、経営の重要な部分を支え、過去の課題を解決する役割を果たすことを目指しています。

—【編集部】最後に同様のキャリアを目指される方にアドバイスはありますか?

—【坂井】 私がもったいないと感じるのは、多くの人が過剰に苦労することに抵抗を感じたり、もっと楽をしたいという気持ちを持ちすぎたりしている点です。

私は苦労している自分や、いい汗をかいている自分を楽しむことが大切だと思います。これはサウナのような考え方かもしれませんが、正しい方向に努力できていると感じるなら、苦労すればするほど学びがあり多くのものが得られると信じて取り組んでいます。

また、私は同じような価値観を持つ仲間には強く共感しますし、そういった人たちと一緒に仕事をすることで、分かち合えるものもたくさんあると思います。ですので、苦労することを恐れず、楽しみながら挑戦してほしいと思います。


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<取材・撮影・文/平林宏城 企画・構成/大芝義信>

<提供/株式会社グロースウェル>

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