将来のキャリアは、長期視点ではなく、今自分を一番必要としてくれる厳しい環境に身を置くこと

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氏名 小林一樹
肩書 株式会社スタジアム 取締役 CTO
出生 1976
略歴 2001年に北陸先端科学技術大学院大学を修了しヤフー株式会社に新卒入社する。以後、複数のITベンチャーでプロダクト開発や開発部門のマネジメント、新規事業立ち上げなどを経験。
2016年8月にスタメンの創業に参画。取締役CTOとしてTUNAGの開発とエンジニア組織の立ち上げを行う。2020年3月よりVPoEに就任。開発部門において、組織づくりという側面からプロダクトチーム全体のパフォーマンス向上を担う。
2023年1月にスタメンのグループ会社として株式会社スタジアムの設立に伴い取締役CTOに就任(現職)。
趣味 登山、スタートアップで働くこと。
特技 水泳。週1-2回まったり泳いでいます。

—【編集部】これまでどんな事をされてきましたでしょうか。

—【小林】 新卒一期生のエンジニアとしてヤフーに入社し、チャットやゲームなどのコミュニティサービスの開発を担当したところがスタートラインでした。

ヤフーでコミュニティサービスを担当し、シリコンバレーの Yahoo Inc と連携するチームで仕事をしていたことで、2005年頃に Facebook が急拡大し、インターネット上のコミュニケーションが急速に変化する様を身近に感じられたのは幸運でした。

SNSという大きな変化・流れに挑戦したいと思うようになり、2006年に日本でのSNSの草分け的な存在だったグリー株式会社に転職します。グリーではエンジニアとしてSNSを作るところから始まり、組織の拡大に合わせて VPoEとしてエンジニア組織や事業のマネジメントをしていました。

その後、家庭の都合で愛知県にUターンし、いくつかのベンチャーを経て、2016年に株式会社スタメンの創業にCTOとして参加し、現在に至ります。

スタメンでは、創業時にプロダクトと組織の立ち上げを行った後、CTOを後任にバトンタッチし、VPoEとして組織運営を担当しています。

そして、スタメンの新規事業で始まったFANTSの事業拡大に伴い、スタメンのグループ会社として2023年1月に株式会社スタジアムが設立され、私はスタジアムの取締役CTOに就任し現在に至ります。

振り返ってみると、これまでいくつかのスタートアップで VPoE → CTO → VPoE → CTO を経験する中で、プロダクトとチームの立ち上げに関わってきたのが私の特徴でしょうか。

技術的には、C/C++ → Java → PHP → Rails/AWS → C#/.NET → Rails/Next.js と遷移していて、特定技術に深くというよりは、技術トレンドや関わる事業の移り変わりに合わせて 技術分野とプロダクトサイクルのそれぞれで幅広く関わるタイプかと思います。

—【編集部】現在の会社に入社された経緯をお聞かせください。

—【小林】 スタメンの創業に参加する直前は、ライフワークバランスを重視して、技術顧問のような形でフリーランスとして活動してみましたが、業務委託として外部から支援するよりも、組織の中にしっかり入って、仲間とともに大きな仕事をしたいと感じていました。

そんな中、スタメンの創業準備をしている加藤からCTO探しの相談を受け、一緒に働く仲間を重視する加藤の考えに共感して、取締役CTOとして創業に参加することになりました。

スタメン創業に参加するまでの経緯は、こちらにも投稿しましたので、興味を持っていただけましたら嬉しいです。

スタメンでは、ひとつのプロダクトを大きくしていくというより、様々なプロダクト(事業)を立ち上げ成長させることで、社員の活躍や成長の幅を広げ、組織や事業としての多様性と強さを得ることを目指しています。

そして、それぞれの事業に適した経営ができるよう、新規事業が立ち上がった後はスタメンの中の部門(事業部)ではなく、一つの会社として独立して経営するスタイルを取っています。

こういった考えのもと、スタメンの事業の一つである オンラインコミュニティ の プラットフォーム FANTS (https://fants.jp/) が、2023年に株式会社スタジアムとして分社化することになり、私はプロダクトとエンジニア組織のさらなる成長を実現するために取締役CTOとして参加し、現在に至っています。

—【編集部】代表や上長とのエピソードがあればお願いします。

—【小林】 私が所属している株式会社スタジアムの代表である森山とは、スタメンの創業事業である TUNAG で一緒に仕事してきました。森山は、高い目標の達成を諦めない粘り強さと、課題解決に向けた思考の深さが特徴的な人と思います。

そんな森山がFANTS事業を法人化するにあたり、開発部門や経営体制を強化したく、取締役CTOとして私に参加してほしいと熱く誘われたのが直接的なきっかけです。

オフィス近くの蕎麦屋でランチを食べながら話したのですが、森山が「スタジアム」という社名の由来や、成し遂げたいこと、組織のイメージを熱く語るのを聞き、実際のスタジアムの中にいるような高揚感を感じたのをよく覚えています。

私としても、愛着のあるスタメンに在籍しながら、再びスタートアップへ挑む良い機会と捉え、他の経営陣とも話してスタジアムに参加することにしました。

—【編集部】今、どんなコトを任されていますか?

—【小林】 CTOなので、エンジニアとしてプロダクトを開発すること、採用や1on1など開発部門の運営がメインとなります。

とはいえ、スタジアムは、まだ創業して一ヶ月のスタートアップで、エンジニアは私含めた4名、ビジネス部門含めた全社で10名足らずの規模です。オフィスのレイアウトを考えたり、全社員と1on1をしたり、会社の設立や成長のためにできることは幅広く行っています。

—【編集部】会社や事業のどんなところを魅力的に感じられていますか?

—【小林】 FANTSは、オンラインコミュニティを作り・運営するためのプラットフォームです。

芸能人によるオンラインサロンや、スポーツチームやアーティストのファンクラブ、英会話やゴルフなどのスクールなど、会員制のクローズドなオンラインコミュニティを作ることができます。また、サブスクリプション(定期購読/継続購入)機能により、コミュニティの収益化も行えます。

私は2001年にヤフーのコミュニティサービスのエンジニアとしてキャリアをスタートした後、グリーでSNSやソーシャルゲームを作り、スタメンで企業向けSNSであるTUNAGを作って、今はスタジアムで幅広いコミュニティを支えるFANTSを作っています。

意図した訳ではありませんが「コミュニティ」のプロダクトに関わり続けて来たこともあり、インターネットにおける「コミュニティ」の可能性を強く感じます。

そして、インターネットは基本オープンな世界ですが、現実の世界と同じように、クローズなコミュニティだからこそ提供できる価値もあると考えています。

様々なコミュニティがオンライン化していく中で、会員制のクローズドなコミュニケーションのニーズも広がってきており、様々なオンラインコミュニティがFANTSで運営されています。FANTSで運営されているコミュニティは、会員制ならではの居心地と熱量の高さが特徴です。

「スタジアム」という社名には、実際のスタジアムのように、人々が集い感動を届けたいという思いが込められています。FANTSを通していろんな人々に「集う場」を提供し、世の中に貢献しているのがスタジアムでの仕事の魅力です。

まだ創業一ヶ月なので、まだまだ道のりは途中ですが、もっと多くの人に感動と幸せを届ける。そんな会社に早くしたいですね。

—【編集部】さて、ここで少し流れを変えて「20問20答」をさせてください。 私が質問を投げますので、考えずに、正直に、スグに、答えてください。 答えやすい質問の中に、ちょっとだけ答えづらい質問が混ざってるかもしれませんよ(笑)。

Q1. 好きな漫画は?

A1. アオアシ – サッカー漫画として登場人物の成長も面白いのですが、人材育成についての刺激や学びが非常に多くオススメです。

Q2. 人情派? 理論派?

A2. 両方です。理論的に考え、人情も大事にして行動するタイプでしょうか。

Q3. パン派ですか? ライス派ですか?

A3. ライス派です!納豆や明太子と一緒に食べるのも好き。

Q4. 都会が好きですか? 田舎が好きですか?

A4. どちらかというと都会ですが、たまに大自然に戻りたくて登山したりします。

Q5. 保守的? 革新的?

A5. ずっとスタートアップにいるので、革新的なのだと思います。

Q6. 好きなミュージシャンは?

A6. Mr.Children。ずーっと聞いてますね。

Q7. これまでに仕事でやらかした一番の失敗は何ですか?

A7. 新卒1年目で社内サーバーの設定を間違えてオフィス全体のネットワークを落としたこと。

Q8. 犬派? 猫派?

A8. 猫かなー。本当はうさぎ派です。

Q9. 現実派? 夢見がち?

A9. 現実派だと思います。

Q10. 今、一番会いたい人は?

A10. ほぼ毎日聞いている COTEN RADIO の 深井龍之介さん。歴史を聞きまくりたい。

Q11. 仕事道具でこだわっているのは?

A11. キーボードはずっとREALFORCE です。

Q12. どんな人と一緒に仕事したいですか?

A12. 成長に貪欲で、成長に向けた変化を好む人。

Q13. 社会人になって一番心に残っている言葉は?

A13. 「楽しむことをあきらめない」仕事がつらかったときに六本木のモスバーガーで出会った言葉です。スタートアップで仕事していると大変なことも多いのですが、どんな状況でも楽しむことをあきらめない。今でも心に留めています。

Q14. 休日の過ごし方は?

A14. 土曜日は昼まで寝て水泳してサウナしてリフレッシュしてます。日曜日は家族で出かけることが多いです。

Q15. 好きな開発言語は何ですか?

A15. 意外ですが C# が思いつきました。2022年に一番書いた言語ですが、開発環境含めて不満がない言語だと思います。

Q16. 仕事の中で一番燃える瞬間は?

A16. 混乱した逆境に入って状況把握と問題解決に挑むとき。

Q17. 息抜き方法は?

A17. 寝る。泳ぐ。水泳は、一定のリズムと音と景色で瞑想のような感じになり、オススメです。

Q18. 好きなサービスやアプリは?

A18. ポッドキャストですが COTEN RADIO 。

Q19. 学んでみたいことは?

A19. 会社経営とプロダクト作りをもっと。

Q20. 最後に一言

A20. こうやってまとめて質問いただくと、趣味スタートアップな人だなーと思いました…

—【編集部】現在の会社で何を成したヒトと記憶されたいですか?

—【小林】オンラインコミュニティによって人々に繋がりと感動のきっかけを提供した人。

—【編集部】最後に同様のキャリアを目指される方にアドバイスはありますか?

—【小林】長期視点ではなく、今自分を一番必要としてくれる厳しい環境に身を置くことが、結果的に将来のキャリアにつながると感じています。まさに、connecting dots。

海外リーグに移籍する野球やサッカーの選手が同じような発言をしているのをメディアで読むことがありますが、同様の考えではないでしょうか。目先の知名度や報酬ではなく、困難な目標達成に向けて自分を必要としてくれるチームに飛び込む。

高いレベルを求めて自分を求めてくれるからこそ、出場機会に恵まれ、チーム戦略の一翼を担い、成功も失敗もいろんな経験を多く積める。チームの中心に近づくから、出会いにも恵まれるし、成功の実績も、失敗の教訓も大きく得られる。

私は、何かを成し遂げたいというよりは、何かを成し遂げたい人を支えたいタイプで、その人の強い志の実現に情熱を持つタイプです。こういうタイプの人は、自分を求め信頼して任せてくれる環境は、自分の可能性を広げる場になります。

目先の知名度や報酬を求めないと書きましたが、会社や事業が成長するにつれて、報酬や知名度は得られるし、中長期で考えるとこちらの方が得られるものが大きいと感じています。

採用の場でも同じようなことを伝えていて「来年良かったではなく、10年後に振り返ったときに『あの時この会社に入ったことが人生の良い選択だった』と思える会社にしたい。」と話しています。

そして、私や会社を信じて加わってくれた仲間を裏切らないように頑張ると、結果的に私もステップアップしている。こんな感じで、自分を求めてくれる環境に飛び込み、信頼に答えようとあがく中で、成果とともに成長する、そんなキャリアでした。

スタジアムはまだ10人足らずです。今なら優勝を目指すチームで即レギュラーです。まさに、鶏頭牛尾! こんな私やスタジアムに興味を持ってくださったらぜひご連絡ください。いっしょにスタジアムで走り回りましょう!

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